GitHub対応の社労士として就業規則にプルリクしてみた

created at: 2014/09/13, by:

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 就業規則をGitHubで管理・運用・公開をするという猛者が登場したらしいですね。

  GitHubに会社の就業規則を公開した - terurouメモ  

 私もGitHub上に、厚生労働省のテンプレをTeX形式に加工したものを置いてましたが、まさか自社の就業規則を置くとは……

2014.9.13

 写真は私の活動です。privateな物もあるので、みなさんから見えるものとは違います。社労士としてはまずまずの使用頻度ではないでしょうか。(他の社労士の事はわからないので主観です。)

 GitHub上で公開することはメリット・デメリット両方あるでしょう。

 メリットの一つに、私のようなGitを使用している社労士から修正の提案があるかもしれないという事が挙げられます。私が本物の社労士かどうかという問題ですが、島根県社労士会からこのサイトにリンクが貼ってありますので、それで良しとしてください。

 というわけで、Pull Requestしてみました。

Pull Request

SnapCrab_NoName_2014-9-13_18-2-38_No-00

 修正した箇所はこちらのとおりです。

 割増賃金の算定方法について、深夜勤務も125%と書いてあります。常識的に意味はわかるのですが、この表記ですと法定時間外の労働が深夜に及んだ場合に、単価の250%の賃金を支払うという規定になってしまいます。また、法定休日の労働が深夜に及んだ場合には、単価の260%の賃金を支払うことになります。(本来は時間の算出についての記述も修正すべきかなと思います。別表を作られていた模様で、そちらはValidでしたので、その表を規則に入れ込んでしまうのが良いような気がします。例えば「下記の表のとおり」的な形です。)

 某所で労働関係に詳しい弁護士さんにうかがった話ですが、実際にこのような表記に対して、200%を超える割増賃金を請求され裁判を、会社側の弁護士としてされた事があると仰ってました。 (結果は話されませんでした。また、興味が無いので質問しなかったので分かりません。判例が重要な場合もありますが、このようなケースは判例云々ではなく表記をなおしておかなければ、裁判を起こす人もいるという事を把握すれば社労士としては十分である、というのが興味の無い理由です。)

課題

 GitHubで就業規則を運用することの最大のデメリットとしては、先ほどのような脆弱性を突いてくる者が現れやすい事でしょう。一般的なオープンソースソフトウェアと同じですね。就業規則を公開している例があるとの事ですので、GitHubでの運用に限った問題では無いところではありますが・・・。

 今回は一つしかPull Requestしませんでしたが、規則の中でいくつか気になる点がありました。

 

 例えば、客先に常駐した時の労働時間に関する規定ですが、客先に常駐という状態をもって、事業場外みなし労働とする事は出来ない可能性があります。さらに、常駐先の時間が短いケースでは、働かなかったとされる時間については、どのような取り扱いになるのでしょうか。ナドナド………。(この問題だけでもそれなりのボリュームになりますので割愛。)

 

 もう一つだけ挙げますと、年次有給休暇の比例付与もつけたしておいた方が良さそうです。所定休日に祝祭日が含まれていたりするので、パートさんであっても週の所定日数が現実的にはマチマチになることが予想されます。ですので、年間の所定も記載しておいた方が良いでしょう。(書いていて損はない。)

 もちろん、実際に週でビシッと所定日数が決まるのであれば、不要です。ですので、Pull Requestするには至らないのかなと思います。

 

 きりが無いのでここまでで止めておきますが、こういった具体的な条文の問題では無い状況のものは、Issueに挙げたり、他のツールで検討する事になるのでしょうか。

 また、会社の実際の状況もあるので、こちらで文言を考えてPull Requestするのは難しい局面もあるでしょう。(状況によって文言が変わります。)

 

 とはいえ、会社の労務監査をしっかりとやっていこうという流れも出てきていますので、先駆的な取り組みとしてリスペクトすべきだと思います。

 

元記事の主の方へ

 元記事の性質上、どうしても揚げ足取りみたいな記事になってしまいますが、リスペクトしているからこそPull Requestしたと捉えてくださいませ。 より良い会社になることを祈念しております。