サッカーW杯の日本代表戦観戦に関する労務管理上の質問について

created at: 2014/06/18, by:

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Q&A的な何か

 ブラジルでワールドカップが開催されています。  時差の関係上、日本時間では深夜から朝の観戦となります。その際に気をつけておきたい労務管理上の問題をQ&Aっぽく挙げてみたいと思います。

従業員が日本代表の応援を理由に遅刻をしたいと申し出がありましたが、認めなければならないのでしょうか?

 特段の休暇制度等が無い限り認める必要はありません。

 しかしながら、お問い合せいただいた際には、従業員のモチベーションを高めるためにも、『会社でのパブリックビューイング実施』や『始業・終業時刻の変更』等、サッカー観戦を行える環境を推奨する旨のアドバイスをさせていただいております。

 

賃金についての注意事項

 賃金については注意が必要です。例えば、

  1. 個別に従業員から申し出があり、恩恵的に遅刻等を認める場合
  2. サッカー狂の事業主が、就業時間の一部(乃至全部)を強制的にサッカー観戦の時間とした場合

 というように、単にパブリックビューイングにしたり、始業・終業の時刻をずらすだけでも、いろいろな前提条件があります。

 

 状況によって、賃金の支払が不要なケース、労働基準法第26条に基づき平均賃金の60%の支払が必要なケース、あるいは民法第536条第2項に基づき賃金の全額支払が必要なケースといった様々なケースが発生します。(1は賃金が不要、2は全額支払の可能性が高いと考えられます。)

 

 小難しい話になりますので、専門家へのご相談をお勧めします。

 

 ちなみに、私からは「2時間程度であれば給与全額を支払い、気持ちよくみんなで日本代表を応援すればいいんじゃね?」とアドバイスさせていただきます。

従業員から日本代表の応援を理由に有給休暇の申請がありましたが、このような理由でも有給休暇を認めなければならないのでしょうか?

 はい。認めなければなりません。

 

 有給休暇を取得するのに理由は制限されません1。サッカー観戦だけでなく、その後に渋谷のスクランブル交差点でハイタッチする事が理由に含まれていても同様です。せいぜい、リスク管理をする事や節度のある行動を取るよう忠告するぐらいでしょうか。

 

【参考】 渋谷交差点、W杯騒ぎに乗じて痴漢続出? 被害訴え相次ぎ、「痴漢した」報告も : J-CASTニュース

要するに…

 がんばれサッカー日本代表!って事です。

 

  1. 事業の正常な運営を妨げられる場合において、事業主は時季変更権を行使することが可能となる場合があります。ただし、一般的には有給休暇の取得の申し出については、できる限り応じなければならないところです。この努力は時季変更権が認められるための一要素でもあります。